盲学校入学式

新潟盲学校の入学式で、新入生の代表として挨拶させていただきました。

 私が視力を失ったのは、今から3年ほど前のことになります。
当時、私は大学病院の眼科に入院していました。
光を失ったばかりの私は、目が見えないという事実を受け入れることができず、絶望の中でいたずらに時を過ごしていました。
そんな私に道しるべを与えてくれたのは、一冊の点字のテキストでした。
指先で文字を読むという手段に力を得た私は、退院後まもなく中途失明者のための厚生訓練施設の生活訓練課に入所しました。
その施設には、他にあんまマッサージ指圧師の養成課が併設されていました。
正直その頃の私は、目が見えなければ鍼灸マッサージと誰もが考える職業に対して抵抗がありました。
しかし、そこで学ぶ人々に接しているうちに、印象は大きく変わりました。
それは、視覚障碍者であっても、晴眼者と変わらぬ技術を身に付けることができること。
社会に出てからも、障碍者としてではなく一人の人間として、人々の役にたつことができるということ。
鍼灸マッサージという仕事に、そういう自信と誇りを持てると感じました。
私がこれから学ぶ3年間は、決して安易なものとは考えていません。
視覚障碍者としては、経験も短くまだまだ未熟です。
学校生活においても、至らぬ点が多々あるかと思います。
そのような時は、是非諸先生、諸先輩のご指導をよろしくお願いします。
謙虚に受け止めて、後悔のない有意義な日々を過ごしたいと思っています。
人生を再出発させる心構えでいます。
どうか、よろしくお願いします。


コメント:同年、この内容膨らませて盲学校弁論大会にと推挙されました。
三十路近くになって、文化祭や運動会、マラソン大会に参加する羽目になるとは思ってもいませんでした。